手動Zステージガイダンス

スペック表の見方

ZM07A-S3K
ZM07A-S3K
 スペック表  説明
 型式  ZM07A-S3K   ① 型式の名称。
 勝手違い型式  ZM07A-S3K-R   ② 型式①に対する逆勝手仕様の型式です。
 テーブル面  70mm x 70mm   ③ ステージ上面の大きさ。
 案内方式  精密クロスローラガイド  ④ ステージの案内方式を示します。
 移動範囲  粗動 ±3mm, 微動 0.15mm  ⑤ 中心点を基準としてプラス、マイナスで表示します。
 垂直度  ≦4μm/6mm   ⑥ ステージ下面に対するステージ上面の走りの真直の性能を示します。
 最小読み取り  粗動 5μm/目盛, 微動 0.25μm/目盛  ⑦ マイクロメータヘッド等で読み取ることのできる最小値です。
 水平耐荷重  29.4N(3kgf)   ⑧ ステージ中央での搭載可能重量です。
 材質  アルミ合金  ⑨ 主に使用されている材料を示します。
 外観  白色仕上げ  ⑩ 外観の色や表面処理を示します。
 自重  0.9kg   ⑪ 製品の重量。
 駆動方式  精密ポジショナー FPP03-13(13mm)  ⑫ 使用されているアクチュエータの型式や移動量を示します。
 価格  ¥116,000   ⑬ 標準製品の価格を示します。
 オーバーホール費 ※  ¥24,000 ~   ⑭ オーバーホールの費用を示します。
 クリーングリス交換費  ¥18,000   ⑮ クリーングリスへの交換費用を示します。
 真空グリス交換費  ¥18,000   ⑯ 真空グリスへの交換費用を示します。

※ オーバーホール費に部品代は含まれません。

※ マイクロメータヘッドはオーバーホール対象外となります。

案内方式

●クロスローラガイド

クロスローラガイドとは、90°のV溝を持つローラレースと円筒コロからなる案内方式です。ローラレースの摺動面は、焼入れ研磨仕上げにより平面度の精度が高く硬質に仕上げられています。円筒コロはこの2本のローラレースに挟まれた空間に互い違いに配置されています。ステージが駆動する際には、ローラレース上を複数の円筒コロが転がるため、停止時から起動時への摩擦の変化(静止摩擦と動摩擦の差)が小さく、作動すべりが起こりにくくなっています。また、クロスローラガイドは、線接触で荷重を支えるため、ボールガイド機構よりも剛性が高くなっています。このクロスローラガイドは、独自に設計された剛性が強く精度の高いものを使用し、ローラレースと円筒コロ間の与圧を精密に管理して高剛性を維持しています。

●クサビ型クロスローラガイド

クサビ型クロスローラガイドとは、一組のクロスローラガイドは水平面に、もう一組は正接が1/4になるように(約14°)傾けて配置してあります(図-1参照)。片側からクサビを押し込むと、中心軸上に固定されたテーブルが上下動します。傾いたクロスローラガイドが水平方向成分の力を支えるため、テーブル上面のモーメント荷重剛性が強化されています(1/2タイプも同様です)。 クロスローラガイド

●ゴシックアーク

ゴシックアークとは、擬円筒の摺動面とボールからなる案内方式です(図-2参照)。擬円筒の摺動面は、上テーブルとベースに直接加工され、焼入れ研磨仕上げとなっています。ボールは、摺動面の作る擬円筒の溝に挟まれて配置されています。擬円筒面とボールは、互いに4点で接触するため、作動すべりが起こりにくい構造になっています。また、与圧管理はボールの大きさで行なわれ、部品点数を少なくしています。 ゴシックアークガイド

送り方式

●マイクロレバー方式

マイクロメータヘッドなどの横方向の力を、レバーによって上下方向の力に変換し、ステージを上下動させる方式です(図-3参照)。基本的な構造は全て同じで、マイクロメータヘッド式と精密ポジショナー式の2種類があります。 マイクロレバー方式

 

●クサビ方式

マイクロメータヘッドなどの横方向の力を、クサビによって上下方向の力に変換し、ステージを上下動させる方式です(前ページ図-1参照)。基本的な構造は全て同じで、ハンドルの回転を研削ネジに直結させて駆動させる方式と精密ポジショナー式でクサビを押す方式の2種類があります。

移動量

※ 以下のタイプのZステージは、マイクロメータの読み取りと実際の移動量が異なります。

●レバー駆動タイプ

マイクロメータヘッドで押した力をレバーによって上下方向の力に変換しています(図3参照)。厳密な移動距離は、レバーの支点から力点と作用点までの距離とマイクロメータヘッドの先端形状の関数で表されます。マイクロメータヘッドの移動量の約1/2が上下の移動量となります。

●クサビ駆動タイプ

ハンドルに直結した研削ネジもしくは精密ポジショナーでクサビを差込むことで上部ステージが上下動します(前ページ図-1参照)。クサビは縦横の比が1:4のため、クサビの押し込み量の1/4が上下動の移動量です。ハンドルタイプの場合、1回転あたり0.125mm、1目盛あたり5μm移動します。精密ポジショナータイプ場合、粗動で1目盛あたり2.5μm、微動1目盛あたりで0.125μm移動します。

縦置き型Zステージ

縦置き型Zステージは、X軸ステージをスタンドタイプにカスタマイズしたものです。
通常、ステージは動作時の影響がステージ上面に及ぶのをなるべく抑えるため、送り機構はステージ下面に取り付けてあります。ただしこの状態で縦置きにして用いた場合は、ステージ内のバネが伸びる方向に負荷がかかるため、重力によってステージが下がる場合があります(右図左)。この状態をマイクロホルダ取付位置の変更によって解消したのが、縦置き型Zステージです(右図右)。
縦置き型Zステージ